01.
「頭のいい子ってなぜなの?」という本を書くくらいだから,著者は「頭がいい」ことを自認している.そこが憎いところだが,読んでみると,同類の本よりは,難しい事を分かりやすく,事実を注意深く,伝えようとしていることが分かった.たぶん著者は頭がいい. ただ,ところどころ,それは科学では証明できないだろう,という道徳的もしくは宗教的な内容が断定口調で書かれている.例えば「温かい家庭で育った人は,ストレスに強い...」(p.27),「充分な愛情を与えられて育った子供は,自分を大切にします.そして人を大切にし,人を愛することができます...」(p.196)
など.過保護に育てられた人よりは,悪環境で育っていた方が,いざというときには強いのではないか.程度の問題だとも思うけれど. このように著者の解釈と,脳科学の実験結果には大きなギャップがあるものの,普段,どういうことを考えて研究しているのか,という著者の熱い想いが記述されており,とても面白い.子供の育て方だけでなくて,大人の頭がよくなる方法についての続編を期待したい.
02.
~脳科学の日本語の一般書は玉石混淆というか石石混淆。それというのも、ろくに研究論文も書かないエセ研究者が跋扈しているから。この本は、数少ない日本在住で、世界をリードする研究を発表し続ける現役の発達脳科学者が書いたもの。最先端の脳科学が平易にそれでいて決して誤解がないように書かれています。決してマスコミずれせず、ウケねらいせず、言い過~~ぎず、それでいて勇気をもって言えることは言う本当のサイエンス。ほんものに触れたら、もう二度とにせものには惑わされない。~
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