01.
学習塾のムリな教育方法による弊害、ゆるい公教育への不審、依然として変わらぬ学歴至上主義ー教育の指針の見えない現代日本で、海外の教育へ逃げ出すわけでもなく、批判するだけでもなく、しっかりと地に足を着て黙々と足元を固めているかのような著者のスタンスがすばらしいです。
俗に流されず、理想に偏らず、しかも子どもに親身に考え、甘すぎず、厳しすぎず、だが、結果も出す! とてもバランスのいい教育をしていると思います。
このような才能あるアウトロー教師には反体制色の濃い方が多いのですが、現代日本の体制や社会に対してもひねておらず著者の社会人としての有能ぶりと人間の大きさ、おおらかさを感じさせられます。
この本と著者の存在は日本の未来に希望を感じさせます。
話題性やアイキャッチの為だと思いますが、中身のよさとつりあわないイマイチなセンスのタイトルだと思います。
02.
海外出張から戻る度に心配になることがある。それは、海外の子どもたちに比べ、多くの日本の子どもたちの目が、まるで鮮度の落ちた魚のように、精気を失っていることである。日本に比べかなり生活が苦しい国の子どもたちであっても、海外の子どもたちの目は皆輝き、生き生きとしている。ある自治体の調査によれば、「将来の夢」という作文を小学生に書かせると、3分の1近くの児童が白紙で提出したという地域もあるという。
日本の子どもたちが将来の「夢」を持つこともできないような国にしてしまったのは、いったい誰の責任なのだろうか。それは、自分自身も含め、大人たちが大いにその責任を痛感しなければならないことである。
著者は小さな学習塾を経営している。著者の塾が小さいのは、生徒が集まらないからではなく、「自分の目が届く人数の子どもたちしか責任を持って預かることができないので、生徒の募集活動は行なっていないから」だという。本書を読むと、この小さな塾で著者が孤軍奮闘し、子どもたちが生き生きと勉強している姿が目に浮かぶようである。
著者の夢は、将来の日本や世界のために活躍できる「エリート」を育てる事だと言う。そして、著者が語る「エリート」とは、「社会のため、多くの人の幸福のために、自分で考え行動できる人」だという。すでにこの小さな塾から、医師や弁護士、海外の大学・大学院で学ぶ学生など、続々「エリート」の卵たちが巣立っていっているという。
戦後の日本社会では「エリート」教育というものをなぜかタブー視していたように思う。しかし、著者は堂々と「エリート教育」を掲げ、それを実践している。その勇気と心意気に拍手を送りたい。
目の前にいる幼いわが子には、大きな夢を持ち、そして生き生きとした目をいつまでも持ち続けていて欲しいと願う父親には、とても子育ての参考になる本であった。
03.
東京都で塾を開く塾長さんの本。タイトルもサブ・タイトルもスゴいですが、 内容的には点数至上主義でも、有名中学・高校に進ませるのが全て!というものでもなかったです。 「学歴よりは学力」「偏差値で学校を選ばない」などの章もあり、 国力を傾けて子供たちの教育を推進しているインドや中国などのアジア諸国に比し、あまりにもお粗末な日本の公教育や、 親の年収や学歴によって二極化しつつある子供たちの学力の格差に危機感を持ち、 「では、どうすればよいのか」というのを著者なりの教育方法を披露しながら真摯に語っているという感じでした。 他人や他国と競って「勝った」「負けた」ではなく、 これからの社会でどこの国の人たちとでも肩を並べ、ともに歩いていけるしなやかでたくましい子に育てるには、 やはり基礎体力となる「学力」は不可欠だと思わせてくれる本でした。 グローバルな視点で子供の未来を考えさせてくれます。
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